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被災地で特徴的な疾患

 被災者の健康を脅かす要因に、精神的な不安やストレス、衛生環境や栄養状態の悪化があります。これらは、身体の「免疫力の低下」を招き、どんな病気にでも罹りやすい状況を作ってしまいます。その中でも、実際に被災者の方の治療を通して、特に身体に現れ出ていた不調とそのケアについてまとめます。

【めまい・地震酔い】
 多くの方に見られたのが、平衡感覚の不調です。未だ多くの余震があります。その余震の度に平衡感覚は、かき乱され、めまいを起こし、精神的にもまいります。また、被災地では、いたるところの建物や地面も未だ傾いたままです。何が真っ直ぐなのか、水平なのかわからず、視覚・深部知覚の情報も乱され、平衡感覚が補正されにくい状況も原因にあると考えられます。
 治療としては、まずは心身を休められる状態に持っていくことです。全身状態が悪くても、めまいは起こりやすくなります。それに加え、平衡感覚に関わる内耳(三半規管・前庭)の環境を整えることが重要です。

【睡眠障害】
 睡眠薬を服用されている方も、少なくありませんでした。不安や心配があるときに眠れないのは、誰もが経験したことがあると思います。被災者の方にとっては、「将来に対する不安」がいつまでも拭いきれません。さらに、仮設住宅での睡眠環境の悪さもあります。床が固い、雨音や隣人の物音が響いてうるさい、夏は暑く冬は寒いなど多くの訴えがありました。とてもリラックスできる睡眠環境とは言えません。また、身体的な原因として、先程の平衡感覚の不調も睡眠障害の一因に考えられます。
 その対策としては、睡眠環境を整えます。治療としては、入力されてくる交感神経の活動を抑え(主に感覚器)、モルヒネ様物質の分泌を促す、いわゆるリラックスした状態に導きます。これは、鍼灸治療の得意とするところだと思います。

【呼吸器疾患】
 震災直後に比べると良くなっていたように感じましたが、空気が悪いです。被災地には、がれきが積み上げられていて粉塵が舞い、津波の残した泥による砂埃もあります。仮設住宅では、布団や洗濯物が満足に干せないこともお聞きしました。室内では、カビや菌の温床とならないよう、換気するなどの対策は必要です。集団生活は、感染に要注意です。風邪の入口である呼吸器へのアプローチは、欠かせない治療ポイントであると思います。
 また、この部分の炎症は、脊髄反射により、首から背中にかけての筋肉を緊張させます。首肩がパンパンの方を非常に多く見かけました。頭痛、肩こりなどの緩和もたいへん喜ばれます。

【心疾患】
 阪神大震災時にも注目されました。地震の様な自然災害後や、戦争の様な人為的災害後に増加することは知られています。災害ストレスに対して、交感神経や視床下部、下垂体、副腎系などを介して、心疾患のリスク因子の憎悪を招くと考えられます。
 対策は、睡眠障害と同じく、ストレスの除去で、いかにリラックスしてもらえるかでしょう。さらに、直接負担のかかる心臓へのアプローチです。

 これらは、いわゆる慢性期疾患です。慢性期疾患は、日頃の生活の仕方が大きく関わってきます。震災前は、病気の自己管理、いわゆる生活の中でのセルフケアを行なっていました。それが、生活環境が一変することで、普通の生活ができなくなっています。それが、その人のセルフケア能力を低下させ、健康を悪化させることになります。これからいかに、手軽にできるローラー鍼やせんねん灸を用いたセルフケアがなされていくかがポイントだと思われます。

SORA鍼灸院 森川真二
 

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